災害と税金の5回目は「法人税の軽減」です。
災害に関連する損失や支出が経費になるのはもちろんですが、税金が還付される規定もあります。
4.法人税の軽減
① 経費になるもの
・在庫や固定資産の滅失損
・損壊した資産や土砂などの除去費用
・原状回復費や補強工事
・在庫、固定資産、繰延資産の評価損(時価<帳簿価額)
② 災害損失特別勘定の設定
・災害損失を修繕するための費用が確定していない場合でも、1年以内の支出額を見積もって特別勘定に繰り入れた場合は経費(損金)にすることができます。
③ 災害損失欠損金の繰越し
・通常の欠損金は損失の発生年度に青色申告書を提出することが条件ですが、災害の場合には青色申告書を提出できなかったとしても9年間の繰越しが可能です。
④ 災害損失欠損金の繰り戻し還付
・黒字⇒赤字となった場合に前年度に払った法人税を取り返す手続きが”繰戻し還付”です。
・災害から1年以内に終了する事業年度に生じた災害損失欠損金については過去2年に払った法人税の還付を受けることができます。
所得税に比べると馴染みの薄いものもありますが、税負担を軽減することで復興に充てる費用も捻出できますので活用していきましょう。
法人税の軽減の1つとして被災代替資産等の特別償却もありますが、これは特定非常災害の指定と関連するのでまとめて次回に取り上げます。