昨日、所得拡大促進税制の中小企業編を書きましたが、適用要件のところがまちがっていたので書き直します。
年末の税制改正大綱の内容が法案になる過程でより使いやすいように内容が変わっています。
また名称も「賃上げ・設備投資促進税制」になりました。
<改正内容>(資本金1億円以下の中小企業及び個人事業主)
1.適用要件
【改正前】
① 給与総額が基準年度より3%以上増加。
※基準年度:平成25年4月1日以後に開始する最も古い事業年度の直前の事業年度(3月決算なら平成25年3月期)
② 給与総額が前年度より増加。
③ 継続雇用者(当年度及び前年度で給与支給あり)の平均給与が前年度以上。
【税制改正大綱】
①② なし
③ 継続雇用者の平均給与額が前年度より1.5%以上増加。
【改正後】
① なし
②+③ 継続雇用者※への給与総額が前年度より1.5%以上増加。
※継続雇用者
・改正前:前年度及び当年度の両方で給料が一度でも出ている人。
・改正後:前年度及び当年度を通じてずっといる人。
改正前の制度は何せ手間がかかっていたので計算が簡略化されています。
平均給与ではなく給与総額だけで比べるので1人当たりの金額を出す手間がなくなりました。
また継続雇用者については改正前は”前年度入社の人”や”当年度退職の人”もカウントしていましたが、改正後は2年間ずっといる人を探せばいいので手間は少し減っています。
控除額や設立事業年度の扱いについては昨日書いた通りです。
税制改正大綱から大幅に内容が変わることは珍しいですが、実務面を考慮して使いやすい制度になったので、今まで手が回らずに対応できなかった会社や個人でも使えそうです。
次回は今度こそ大法人を取り上げます。