贈与税最終回は「結婚・子育て資金贈与」です。
この制度は教育資金贈与のヒットを受けて2年後に導入されましたがパッとしませんでした。
教育資金贈与とは何が違うのでしょうか。
<概要>
・父母又は祖父母から20歳以上50歳未満の子や孫への贈与。
・H27.4.1~H31.3.31までに贈与し、翌年3/15までに申告必要。
・限度は結婚費用で300万円、出産や子育て費用が1000万円。
・結婚費用の範囲:結婚式費用、家賃、敷金など新居費用や転居費用等。
・出産子育て費用の範囲:子どもの医療費、保育園幼稚園の費用、ベビーシッター代、出産費用、不妊治療費用等。
<メリット>
・まとまった金額を贈与できる。
<デメリット>
・もらった人が50歳の時点で残額があれば贈与税がかかる。
・贈与した方が亡くなった時点で残額があれば相続税がかかる。
・金融機関との契約必要。資金引き出しの手間も煩雑。
もらった方が50歳の時点で贈与税がかかるのは、教育資金の30歳時と同じなのでいいとして、問題は贈与した方がなくなった時。
その時点の残額は相続税の課税対象になってしまうので、相続対策にならない点が教育資金と異なります。
教育資金は贈与した人が亡くなってもその時点では課税はなく、子や孫が30歳までに使い切ればいいので事実上渡し切りのようなものです。
景気対策という産業界・政府と税収を減らしたくない財務省とのせめぎ合いの結果、今の制度になったのだと思いますが活用されなければ意味ないなという感じはします。
7回にわたって贈与税について取り上げてきました。
それぞれの特徴を踏まえた上で上手に活用して下さい。