国税庁から平成28年分の確定申告状況が公表されました。
全体としては申告人数は前年から0.8%増えて2169万人、所得金額も1.7%増えて40兆572億円となっています。
内容を見ていくと譲渡所得では土地の所得は増えていますが株の所得は減っています。
確かに地価の上昇に伴って土地の譲渡申告は多かったように思います。
逆に株に関しては乱高下する市場に翻弄されたといったところでしょうか。株の損失を繰り越した人も過去4年で最も多くなっています。
明るい材料としては事業所得、つまり商売をしている人の人数、所得とも増えていることがあります。
意外だったのはマイナンバーの記載率。
全体の83%の人が書いていたそうです。
義務化されたとは言え、罰則はないだけに情報漏えいの懸念から書かない人が多いかと思いましたが17%に留まりました。
詳しく見ると自宅で電子申告した人は95%の人がマイナンバーを書いていたのに対し、税務署で手続きした人では80%と低調でした。
これはマイナンバーカードの普及率がまだ8%ちょっとと低いこともありますし、通知カードを持ち歩くのも用心が悪いということもあるでしょう。
電子申告に関して言うと現状では電子証明が必要でそれが普及のがネックとなっていますが、これを簡略化する案もありますし、また電子申告そのものを義務化するという話もあります。
マイナンバーの普及と電子申告の推進で税務行政の効率化を図るという大義名分は分かりますが、漏えい対策を徹底すると共に、何かしらのメリットを感じられる制度にして欲しいものです。