20年以上たった旧車の外観や性能を復元させることを「レストア」と言いますが、趣味の世界だけでなくメーカーが参入するケースも増えています。
ベンツやボルボなど元々車を長く使うヨーロッパのメーカーがサービスを提供しており、日本ではマツダが参入を検討しているようです。
金額的には100万円以上かかるものもありますがこれは経費になるものでしょうか。
資産に関する修理代の処理については「修繕費」と「資本的支出」に分かれます。
修繕費:通常の維持管理や原状回復と言えるものは支払時の経費。
資本的支出:価値増加や耐久性を増加させるものは固定資産に該当し、減価償却により費用化。
レストアの場合で言うと部品を全面的に換えたり、塗装をやり直したりして当然耐久性は増加するので「資本的支出」とも考えられるし、新車時に近づける原状回復の意味合いもあるので「修繕費」とも考えられます。
レストアに限らず「修繕費」か「資本的支出」の線引きは難しいので形式基準が設けられています。
下記の要件に順番に当てはめていき、どれかに該当すれば「修繕費」になります。
① 20万円未満
② 概ね3年周期で実施(維持管理の性格)
③ 明らかな資本的支出でない(増設、用途変更、性能アップなど)
④ 明らかに修繕費(移設、地盤沈下など)
⑤ 60万円未満
⑥ 前期末取得価額の10%以下
⑦ 継続して3割を修繕費、7割を資本的支出にしている
レストアの場合で言うと形式基準では⑤の60万円未満が一つの目安で、あとは個別に実質判定していくことになりそうです。
ちなみに普通車の耐用年数は6年なので4年以上の中古車を買うと耐用年数は2年(償却率1.00)となり、1年で経費にできます。
旧車を買って大事に乗り続けることはモノを大事にしつつ、税務的にもメリットがあることになります。