決算の作業の中に「在庫を数える」という作業があります。
商品がどれだけ残っているか数えることで正味の使用額を算定するのですが、どこまですればいいのか、どういった点に注意すればいいのかなど意外と知らないこともあるので確認しておきたいと思います。
<いつする?>
決算の最終日の営業後に行なうのが原則です。
ただし業務の都合上できない時は日を前にずらすことも可能です。
例えば3月決算であれば2月末に実際の有高を数えて、残り1ヶ月はシステム上の数値で加減算することもあります。
<税込?税抜?>
消費税については課税事業者かどうか、税込処理か税抜処理のどちらを採用しているかによります。
免税事業者の場合は消費税は考えないので税込で集計します。
課税事業者の場合は売上などを税抜で経理していれば税抜、税込で経理していれば税込と基準を合わせます。
<書類の保管>
最終的な在庫表はもちろんですが、手で数えたメモも1年分は残すようにしましょう。
内容は同じなんですが税務調査の際にメモも見せて下さいと言われることがあります。
税務署は現場で数えた在庫と決算での計上額とが一致するかをチェックして不正がないか確認します。
<商品以外も>
商品や製品だけでなく印紙や切手なども数えます。
またパンフレットや会社案内などまとめて作るものもどれだけ残っているかを数えて実際の使用額だけを経費にします。
印紙や切手、パンフレットなどは「貯蔵品」として在庫計上します。
そのため決算間近でまとめ買いしても残っていれば経費にはなりません。
なお消費税は実際に購入した時に引けるので法人税で経費にならなくても消費税の支払額は減ります。
在庫は手間のかかる作業ですが「実際どれだけの原価がかかっているか」「不良在庫はないか」など業績を正確に把握する上で重要な作業なのでしっかりと行ないましょう。