税務調査実況中継の5回目は3日目編です。
3日目と言ってもそもそも2日で終わる調査もあるので何日目かを問わずどんなことを指摘されるかという内容を見ていきます。
【3日目編】
<売上>
① 隠していないか
売上を除外していないかを確認します。
特に現金売上は除外しやすいのでお金の流れからきっちり見ます。
個人口座に入金がないかというのも事前に調べてきています。
② 時期がずれていないか
決算ギリギリの時期の売上を翌年度に繰り越していないか確認します。
仕入、出荷、在庫の流れを細かく見て売上が確定した時期を特定します。
<経費>
① 架空でないか
実態のある経費かどうか確認します。
特に外注費、支払手数料、雑費などの科目に怪しいものが紛れがちなのでチェックしています。
② 経費としていいものか
個人で負担すべきものか会社で負担すべきものか、経費になる修繕費か減価償却を通じて経費になる資本的支出かなどを確認します。
また貸倒れなどイレギュラーな損失がある場合は経費になる要件を満たしているかを確認します。
<給料>
① 実在する人か
組織図、机の配置図、賃金台帳、履歴書などから実在する人かどうか確認します。
② 役員報酬や退職金は高すぎないか
仕事に対して役員報酬が高すぎないか、退職金は規定通り支払われているかなどを確認します。
役員報酬に関しては仕事をしている人はいいのですがほとんど仕事をしていない身内に多額の給料を出している場合は要注意です。
役員退職金については高い安いの判断は難しいところですがまずは規定や議事録を完璧に揃えておくことが最低条件です。
なお今日ご紹介した3つの項目の1つ目、売上除外、架空経費、架空人件費は平たく言うと「罪が重い」です。
たとえ少額でも脱税として重加算税の対象になります。
会社としては罰金が35%と高いだけでなく信用も失いますし、調査官としてはこれを見つけるとかなりのポイントアップです。
「ちょっとぐらい」では済みませんので注意して下さい。
在庫や海外関係などは明日へ続きます。