IFRSと営業利益

posted by 2024.07.16

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 IFRS(アイファース、国際会計基準)において「営業利益」に関する開示ルールが2027年度から変わります。

 

 世界的な会計基準であるIFRSは、東証での採用は272社と1割ほどですが、時価総額ベースでは5割に達します。
これはトヨタやソニーなどグローバル企業で採用されているためです。

これまでIFRSでは営業利益の開示は各企業に委ねられていたため、基準がバラバラでした。
特に「持ち分法投資損益」を「営業利益」に含むかどうかで大きく違いがありましたが、今後は『営業利益に含まない』で統一されます。

 

<IFRSの利益>

≪営業≫
・収益、売上原価、販売費、一般管理費
・のれんの減損損失 等

≪投資≫
・持ち分法投資損益
・受取配当金

≪財務≫
・借入金、リース負債の利息費用
・年金負債の利息費用

 

<日本会計基準の利益>

≪営業≫
・売上、売上原価、販売費、一般管理費

≪経常≫
・営業外収益(受取利息、配当金等)
・営業外費用(支払利息、株式売却損等)

≪特別≫
・特別利益(臨時的な不動産や株の売却益等)
・特別損失(災害や盗難による損失等)

 日本会計基準では、まず本業で利益が出ているかどうかを示す「営業利益」が重視されます。
また利息などを考慮する「経常利益」事業の経営状態や実力を示すものとして重視されています。

 

 IFRS日本会計基準では異なる部分が多く、特に今後は「営業利益」の内容が大きく異なります。
従来から特別損益が含まれる点が違いましたが、持ち分法投資損益の影響も大きいので、業績を比較する場合は違いを認識しながら見るようにしましょう。