IFRS(アイファース、国際会計基準)において「営業利益」に関する開示ルールが2027年度から変わります。
世界的な会計基準であるIFRSは、東証での採用は272社と1割ほどですが、時価総額ベースでは5割に達します。
これはトヨタやソニーなどグローバル企業で採用されているためです。
これまでIFRSでは営業利益の開示は各企業に委ねられていたため、基準がバラバラでした。
特に「持ち分法投資損益」を「営業利益」に含むかどうかで大きく違いがありましたが、今後は『営業利益に含まない』で統一されます。
<IFRSの利益>
≪営業≫
・収益、売上原価、販売費、一般管理費
・のれんの減損損失 等
≪投資≫
・持ち分法投資損益
・受取配当金
≪財務≫
・借入金、リース負債の利息費用
・年金負債の利息費用
<日本会計基準の利益>
≪営業≫
・売上、売上原価、販売費、一般管理費
≪経常≫
・営業外収益(受取利息、配当金等)
・営業外費用(支払利息、株式売却損等)
≪特別≫
・特別利益(臨時的な不動産や株の売却益等)
・特別損失(災害や盗難による損失等)
日本会計基準では、まず本業で利益が出ているかどうかを示す「営業利益」が重視されます。
また利息などを考慮する「経常利益」も事業の経営状態や実力を示すものとして重視されています。
IFRSと日本会計基準では異なる部分が多く、特に今後は「営業利益」の内容が大きく異なります。
従来から特別損益が含まれる点が違いましたが、持ち分法投資損益の影響も大きいので、業績を比較する場合は違いを認識しながら見るようにしましょう。