前回の続きで寄附金の所得控除と税額控除の違いについて見ていきます。
2.範囲の違い
<所得控除>
① ふるさと納税
② 地方公共団体
③ 指定寄附金(日本赤十字社、国立大学法人等)
④ 特定公益増進法人(独立行政法人、公益社団法人、公益財団法人、学校法人、社会福祉法人等)
⑤ 特定公益信託への支出金
⑥ 認定NPO法人
⑦ 政治活動に関する寄附金(政党、政治資金団体、国会議員等)
⑧ 特定新規中小会社が発行した株式の取得に係る払込金
<税額控除>
④ 特定公益増進法人(公益社団法人、公益財団法人、学校法人、社会福祉法人等)※独立行政法人や自動車安全運転センター等は除く
⑥ 認定NPO法人
⑦ 政治活動に関する寄附金(政党、政治資金団体等)※国会議員、後援会等は除く
より効果の大きい税額控除の方が数が少なく、同じジャンルでも外れるものもあります。
なお、法人税の場合は限度額は小さいものの、株式会社や近所の神社やお寺への寄附も控除を受けられますが、所得税では公益性の高いものに限られています。
3.どちらが有利?
税金を掛ける前に所得を減らす「所得控除」と税金を直接減らす「税額控除」ではどちらが有利なのでしょうか。
例1:給与年収500万円の人が政党へ10.2万円寄附
・所得控除 10万円 ×10%=1万円
・税額控除 10万円 ×30%=3万円 ◎
例2:給与年収1200万円の人が政党へ10.2万円寄附
・所得控除 10万円 ×33%=3.3万円 ◎
・税額控除 10万円 ×30%=3万円
所得控除は本人の所得税率によって決まるので所得の高い人は所得控除の方が有利になります。
目安は課税所得900万円超ですが、所得控除と税額控除の両方を選べる④⑥⑦については実際に計算して有利な方を選ぶようにしましょう。