NFTと税金 ③

posted by 2023.02.24

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 前回の続きでNFTに関する税金のうち、相続税や消費税などについて確認します。

 

<相続税・贈与税>

Q6.NFTを相続した

A6.時価評価して相続税を課税

 時価はマーケットでの相場がある場合はその市場取引価格を使用しますが、ない場合には書画骨董と同様に売買実例価額や専門家の査定額を参考にして評価します。
贈与税についても相続税と同様に取り扱われます。

 

<源泉所得税>

Q7.給与所得者である私がNFTを購入し、アイコンとして利用することの許諾を受けた(=著作権使用料を支払った)

A7.源泉徴収の必要なし

 著作権の使用料を支払った場合には原則として源泉徴収が必要です。
ただし、給与所得者である私は源泉徴収義務者でないため、源泉徴収は必要ありません。
また事業者であっても、著作権利用料部分の区分が困難でかつ少額の場合は源泉徴収する必要はありません。

 

<消費税>

Q8.自分で作ったデジタルアートを消費者に販売

A8.購入者が日本の消費者等なら消費税課税、海外の消費者等なら消費税不課税

 NFTの利用許諾は消費税上「電気通信利用役務の提供」に該当するため、提供を受ける人の住所で判定します。

 なお趣味で作ったものを単発で販売する場合など事業として行っていない場合には消費税は課税されません。

 

Q9.購入したNFTを転売した

A9.転売した人の事務所等の所在地が日本にあれば消費税課税

 NFTの転売は利用権の譲渡に該当するため、譲渡の行う人の所在地で判定します。

 なお前問と同様、事業として行っていない単発の転売であれば消費税は課税されません。

 

 どの税目もそうですが、NFT特有の規定があるわけではなく、既存の税法の枠組みに当てはめているため、やや複雑な取扱いとなっています。
今後も様々なNFTや取引形態が出てくると思われますが、随時取扱いが公表されると思われます。
新しい経済活動の拡がりを阻害しないような取扱いになることが期待されます。