インボイス申請期限の延長

posted by 2023.01.17

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 インボイスの登録申請の期限が3月末から9月末に延長される、というニュースが出ていました。

 年末時点の登録率は法人で75%、個人で34%に留まります。
個人はこれから確定申告時期に入るので3月までに準備や検討ができないことを考慮した延長と思われます。
従来から申請書提出に”困難な事情”があれば3月末は過ぎてもOKでしたが、この”困難が事情”が不要になり、無条件に半年延長されます。

 

 改めて10月までに何をすべきかという点を整理しておきます。
現状で課税事業者の場合と免税事業者の場合とに分けて見ていきます。

 

1.課税事業者

① インボイス登録

 デメリットがなく、申請書も簡単なので早めに申請してしまいましょう。
申請期限は9月末に伸びましたが、登録までに電子で3週間、紙で2か月かかっているのでギリギリに提出すると10月1日のスタート時に請求書等に記載できなくなってしまいます。

 

② 請求書や領収書の変更

 インボイス登録番号の表示と消費税率ごとの集計ができるように請求書ソフト等の設定を変更します。

 

③ 取引先のインボイス登録番号の収集

 仕入れや外注先のインボイス登録番号を収集します。
実際に消費税に影響するのは10月以降なので今すぐ無くてもいいのですが、④の免税事業者対応をするために振り分ける意味合いがあります。
飲食店などの経費関係は10月以降に領収書を見れば判断できるので事前に収集するほどではありません。
また国税庁のインボイス公表サイトで調べることもできます。

 

④ 免税事業者との取引き

 現状が免税事業者でインボイス開始後も免税事業者で継続する仕入先や外注先もあると思います。例えばフリーランスで取引規模が小さい場合や内職の方などが考えられます。

<対応策>
・価格など取引条件の見直し
・経過措置により3年間は2割負担で済むので当面は現状のまま

 取引先の変更や仕切り価格の見直しについては、協議もしない一方的なものであれば独占禁止法や下請法に触れる恐れがあるので注意が必要です。

 

 次回は免税事業者の対応を見ていきます。