仮想通貨(暗号資産)に関する税務調査が強化されているようです。
日経新聞によると「エイダ」の売買で利益を得た個人に対して重点的に税務調査が行われ、数十人が約6億7千万円が追徴されたようです。
エイダは時価総額ではビットコインの1/10以下の規模で、国内の業者が扱わない比較的マイナーな暗号資産なだけに国税庁の本気度が伺えます。
個人と法人の税務処理については以前にも取り上げたのでそのおさらいと消費税や相続税についても確認しておきます。
<所得税>
・雑所得として課税(規模によっては事業所得)
・超過累進税率(5~45%)により総合課税
・損失については給与などとの損益通算や繰越しは不可
・単価の計算方法は移動平均法又は総平均法を選択(届けなければ総平均法)
・単なる含み益には課税なし
・支払手段として使った場合、一旦売ったものとして実現した含み益に課税
他の暗号資産に交換した場合も一旦売ったものとして実現した含み益に課税
<法人税>
・他の利益と同じように課税
・個人と異なり、税率は一定(高くても35%程度)
・単価の計算方法は移動平均法又は総平均法を選択(届けなければ移動平均法)
・決算ごとに時価評価し、含み益や含み損を認識
ただし活発な市場が存在しない暗号資産の場合は時価評価不要
<相続税>
・活発な市場が存在する暗号資産:交換業者が公開する時価で評価
・活発な市場が存在しない暗号資産:売買実例価額、精通者意見価格等を斟酌して個別に評価
<消費税>
・支払手段の譲渡であるため消費税非課税(平成29年6月以前の国内取引は課税)
・課税売上割合の計算にも影響しない
・国内の交換業者に貸し付けた際に受け取る利用料は課税(資産の貸付け)
令和3年からは国内取引所を運営する暗号資産交換業者に支払調書の提出が義務付けられるので今まで以上に税務調査は強化されていきそうです。