前回は税務調査がどれぐらいの間隔でやって来るかを見ていきましたが、その続きで、どんな人がやって来るかというレベルの部分を見ていきます。
2.税務調査のレベル
① 国税局査察部(マルサ)
映画でも有名になった「マルサ」は主に脱税額が1億円以上の悪質な案件を取り扱っています。
裁判所の令状による強制調査なので帳簿書類の捜索や差し押さえができるといった強力な権限があります。
② 国税局資料調査課(料調)
通称「リョウチョウ」も主に脱税額が1億円以上の悪質な案件を取り扱いますが、裁判所の令状のない任意調査である点がマルサとは異なります。
とは言え、怖さはマルサに匹敵します。、
③ 国税局調査部
国税局にはマルサや料調以外に一般の「調査部」もあり、資本金1億円以上の会社や著名人など大型の案件を取り扱っています。
税務署の調査は1~3日が多いですが、国税局の調査は、短いもので2~3週間、長いもので数か月に及びます。
人数に関しては、税務署の調査は1~3人程度が多く、国税局の調査は5~10人程度で、序盤に大人数でやってきて焦点が絞れてからは数人で続けます。
④ 税務署
中小企業や個人を中心に扱い、任意の一般調査を行っています。
人数は1~3名、日数は所得税や相続税は1日、法人税は2日というケースが多いです。
⑤ 簡易な接触
税務署も人手が足りず、調査に廻り切れない部分もあるので、実地調査の必要性が低い納税者については電話や文書による問い合わせや税務署への呼び出しという形で「簡易な接触」が行われています。
問題点や指摘事項が限られている場合やはっきりしている場合に簡易な接触で済ます事例が増えています。
⑥ 行政指導
単純な計算間違い等がある場合には、文書で自主的な修正申告を促す「行政指導」が行われます。
行政指導を通じて修正申告をした場合には、延滞税はかかるものの過少申告加算税はかかりません。
税務調査にも様々なレベルがありますが、必要以上にびびることなく、内容に応じた対応をしていきましょう。