「Permanent Traveler」、日本語に訳すと「永遠の旅人」。
響きはかっこいいですが、税金の世界ではニュアンスが変わってきます。
税金に関して言うと、世界を転々と旅しながら、なるべくどこの国にも税金を払わないライフスタイルのことを言います。
本人に聞いたわけではありませんが、元サッカー選手のN田さんが該当しているという噂もあります。
国によってルールは違いますが、半分(183日)以上その国にいれば納税義務が発生するのが一般的です。
日本の場合は次のルールで判定します。
・居住者:国内に住所を有し、又は、現在まで引き続き1年以上居所を有する個人
・非居住者:居住者以外の個人
日本国籍がない場合は「非永住者」という概念も出てきますが、ここでは省略します。
税金に関しては、「居住者」であれば、所得が生じた場所が日本国の内外かを問わず、その全てに対して日本の所得税が課税されます。いわゆる”全世界所得課税”と言われるものです。
なお、外国と日本の両方で課税された場合は、外国税額控除という仕組みで二重課税部分が解消されます。
これに対して「非居住者」であれば、日本国内において生じた所得(国内源泉所得)に限って日本の所得税が課税されます。
居住者と非居住者で大きく税金が変わってくるので「住所」とは何か、ということが重要になります。
「住所」とは、「個人の生活の本拠」のことをいい、「生活の本拠」かどうかは生活の中心がどこにあるかという客観的事実によって判定されます。
判定が微妙な場合は、職業、家族の居住地、生活に必要な資産の所在地などの情報を総合判断して「住所」を推定していくことになります。
パーマネントトラベラーになるのも一筋縄ではいかなそうです。
シンガポールを拠点として活動していた方が税務裁判に勝った最近の判例があるので次回紹介していきます。