災害と税金の4回目は「災害減免法」です。
前回解説した「雑損控除」との比較で有利な方を選択できます。
3.所得税の軽減
① 災害減免法
<概要>
災害による損害を受けた場合に所得税が直接1/4~100%減免されます。
<対象>
・本人又は扶養親族の所有する住宅や家財。
・所得金額が1000万円以下であることが要件。
・損害金額(保険金等による補填部分除く)が時価の1/2以上。
<控除額>
・所得金額500万円以下 :全額免除
・500万円超750万円以下 :1/2免除
・750万円超1000万円以下:1/4免除
<手続き>
・確定申告は必要。
・添付書類は特になし(問い合わせあれば損失額の説明は必要)。
<雑損控除との違い>
・災害減免法は税額の軽減、雑損控除は所得控除。
・災害減免法は所得税のみ、雑損控除は所得控除を通じて住民税も軽減。
・災害減免法は災害のみ、雑損控除は盗難、横領も対象。
・災害減免法は所得制限あり、雑損控除はなし。
・災害減免法はその年のみ、雑損控除は3年繰越可能。
<どちらを使う?>
・所得1000万円超⇒雑損控除のみ
・損失額が時価の1/2未満⇒雑損控除のみ
・損害が甚大⇒3年繰り越せる雑損控除が有利
・所得が600万円⇒損害100万円なら災害減免法が有利、損害200万円なら雑損控除が有利
税額が直接かつ100%免除される災害減免法の方が有利なケースが多いですが、条件によっては雑損控除の方が有利になります。
税理士や税務署に聞けば判定してくれますので損失額がだいたい分かってきたら相談してみて下さい。