今回の大綱では法人税の減税・整備項目が多く、かっこよく言えばイノベーションを促す、平たく言うと商売しやすくして前向きなエネルギーを引き出したいというような意図を感じます。
項目としては大きく4つ。
① 研究開発税制の見直し (メリハリとサービス業の追加)
② 所得拡大促進税制の見直し(賃上げを後押しする税額控除の拡大)
③ 企業統治改革と事業再編整備(分社しやすくするなど機動的な経営)
④ 中堅中小企業の支援 (税額控除で設備投資を促進)
① 研究開発税制の見直し
・試験研究費の総額に係る税額控除
<従来>
試験研究費割合(売上比)に応じて8~10%を税額控除
<改正>
試験研究費の増減割合に応じて6~10%(2年限定で~14%)を税額控除。
金額の大小よりも増加傾向の会社を優遇することになります。
・中小企業技術基盤強化税制の拡大(総額の税額控除との選択)
<従来>
過去3年の増減に応じて試験研究費の12%を税額控除。
控除額の上限は法人税額の25%
<改正>
増加割合に応じて税額控除割合を12%⇒17%へ拡大。
控除額の上限を法人税額の35%へ拡大。
・サービス開発も試験研究費の対象に
<従来>
製品や技術開発のみが対象。
<改正>
サービス開発のための人件費、委託費、AIの活用、ビッグデータ解析なども対象に。
今までの製造業だけのものというイメージのあった試験研究費がサービス業まで拡大したのは画期的です。
詳細が発表されたら活用できるよう解説していきたいと思います。
試験研究費の税額控除については毎年のように制度が変わりかなり複雑なので、適用もれのないよう注意が必要です。
今回のポイントは「増加をより優遇」「中小企業はさらに上乗せ」「2年限定のものがある」です。