税務調査実況中継2回目は準備編です。
調査日程が決まると資料の準備と事前打合せを行ないます。
2.事前準備(~調査1週間前)
<資料の準備>(通常3年分)
・決算書、申告書、総勘定元帳、振替伝票
・領収書綴り、請求書綴り(売上・仕入・経費)、売掛帳、買掛帳
・在庫表、在庫表原始簿
きれいにまとめた最終の在庫表だけでなく実地棚卸をした際のメモも原始資料として求められます。
・給料関係(賃金台帳、源泉徴収簿、年末調整資料、タイムカード等)
賃金台帳に登場する人が実在するかのチェックや年末調整のまちがいがないかのチェックなどに使われます。
・契約書、議事録、稟議書
契約書は賃貸契約書、業務委託契約書、金銭消費貸借契約書などで内容の確認と印紙の貼りもれがないかも事前にチェックしておきます。
議事録は役員報酬の変更や退職金の支給など重要な事項についての決議文書が揃っているかを確認します。
稟議書については取引の事情や特殊な取引など社内の生の情報が分かるのである場合は求められます。
<想定問答>
事前打合せでは3年以内に起こったことを中心に想定問答を行ないます。
臨時的な経費や税務署が注目しそうなトピックについて事前にヒアリングしてスムーズに回答できるようにしておきます。
調査の際には書類での確認もあるので裏付けとなる書類も準備しておきます。
例
・貸倒れがあった場合の経緯
・役員退職金を支払っている場合の根拠や業務内容
・関係会社間取引の根拠
・輸出入取引の流れなど
会社の方が調査が初めてなど慣れていない場合は基本的な対応の仕方もレクチャーします。
例
・聞かれたことのみシンプルに答える。サービス精神は不要です。
・すぐに分からないことは無理に答えず「調べます」でOK
・求められた資料は迅速に提出。時間がかかると変に疑われます。
次回はいよいよ③初日編です。