株式市場が活性化しているので、株式投資を積極化することをお考えの方も多いと思います。
個人投資家に関して、iDeCoやNISAの活用についてこれまでも見てきましたが、会社を経営している場合、個人で投資するのか会社で投資するのかどちらが有利になるのでしょうか。
また個人投資家で規模が拡大してきた場合、法人化した方が税制上有利になるのでしょうか。
個人と法人での上場株式投資について比較しながら見ていきます。
1.譲渡益課税
〇 個人:20.315%
▲ 法人:25~35%
個人は20.315%と一律ですが、法人税は所得800万円までなら中小企業の特例により約25%、所得が増えていくと約35%の法人税がかかります。
2.配当課税(源泉徴収)
〇 個人:20.315%
▲ 法人:15.315%
住民税が引かれない分、手取りは法人の方が多いですが、法人はその後8割部分に法人税が課税されることから税負担が増えるケースが多いです。
3.損益通算
▲ 個人:上場株式等の譲渡と配当の範囲内のみで可能
〇 法人:あらゆる利益と通算可能
損した場合、個人は通算できる範囲が限定的ですが、法人は箱が1つで所得の色分けがないため、他の事業の黒字と通算が可能です。
また使い切れない損失の繰越期間についても、個人の3年に対して法人は10年と長くなっています。
4.経費算入
▲ 個人:ほぼ経費算入不可
〇 法人:ある程度経費算入可能
個人は分離課税で取得費と譲渡価額の差だけで計算するため、証券会社の手数料程度しか経費になりません。
法人は他にどんな事業をするかにもよりますが、株式投資に関して言うと、セミナー代、通信費、パソコン代、書籍代など様々なものを経費化する余地があります。
(つづく)