事業再構築補助金の抜本的見直し ②

posted by 2024.05.2

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 前回の続きで第12回事業再構築補助金の変更内容を見ていきます。

 

1.支援枠の簡素化(6⇒3枠)

 増築を重ねて複雑になっていたため、3枠5類型に整理されます。

<第11回>

・成長枠
・産業構造転換枠
・グリーン成長枠(エントリー/スタンダード)
・物価高騰対策-回復再生応援枠
・最低賃金枠
・サプライチェーン強靭化枠

<第12回>

・成長分野進出枠(通常類型/GX進出類型)
・コロナ回復加速化枠(通常類型/最低賃金類型)
・サプライチェーン強靭化枠

 別途上乗せ措置として「卒業促進上乗せ措置」「中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置」とがあります。

 

2.コロナ債務の加点措置

 コロナに関連した借換保証等で既存債務を借り換えしている場合に、審査する上での加点が行われます。
手続きとしては金融機関に「コロナ借換要件・加点確認書」を作成してもらうことになります。

 

3.事前着手制度の廃止

 コロナ禍においてスピード感をもって取り組むために、補助金申請前の事前着手制度がありましたが、原則廃止されます。
したがって全ての見積もり内容を確定させて交付申請を行い、交付決定を受けるまで事業を開始することができません。

 なお例外として次の場合には事前着手をすることができます。

・第10、11回の「物価高騰対策-回復再生応援枠」又は「最低賃金枠」に申請して不採択になった。かつ第12回で「コロナ回復加速化枠(通常類型又は最低賃金類型)」に申請する場合

・第10回の「サプライチェーン強靭化枠」に申請して不採択になった。かつ第12回で「サプライチェーン強靭化枠」に申請する場合

 

 補助金ありきで事業を考えると中身でも資金繰りでも振り回されたりしますが、新事業や新展開の構想がまずあって、その上でハマる枠があれば使ってみるのもいいのではないでしょうか。