億ションと税金 ③

posted by 2023.05.17

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 前回の続きでマンション売却時の税金について、居住用貸付用の違いに着目しながら見ていきます。

 

4.特別控除

<違い>

・貸付用:なし
・居住用:3000万円控除(所有期間問わず)

 

 自分で住んでいたマンションを売却した場合には譲渡所得から3000万円を控除することができます。
すぐに売れなかった場合でも住まなくなった日から3年後の日を含む年の年末までに売れれば適用があります。
ただし、マンションを週末用などセカンドハウスとして使用していた場合には適用がありません。

 なお、3000万円控除を使った場合には、その年、翌年、翌々年は住宅ローン控除を使うことができません。
住宅ローン控除の方が軽減額が大きくなるケースが多いのでどちらが有利か比較した上で3000万円控除を使うようにしましょう。

 

5.税率(住民税・復興特別所得税含む)

<違い>

・貸付用:所有期間5年超の長期 20.315%、所有期間5年以下の短期 39.63%
・居住用:所有期間10年超 14.21%(ただし6000万円の上限あり)

 

 貸付用の場合は原則通りの税率で、長期と短期では倍ほど違います。
なお、所有期間は売った日と買った日で単純に判定するのではなく、売った年の1月1日時点で5年超かどうかを判定します。

 居住用の場合は譲渡所得6000万円以下の部分は税率が14,21%まで軽減され、6000万円を超える部分は原則通り20.315%となります。
特例の要件は3000万円控除と似ていますが、所有期間が5年超から10年超に変わります。

 なお、3000万円控除と居住用の軽減税率は併用可能です。

 

(つづく)