インボイスと実名公表

posted by 2022.09.26

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 消費税のインボイス制度は来年10月1日にスタートしますが、登録は2021年10月から始まっています。

 来年3月が期限なのでそろそろ取引先から聞かれることも増えてきましたが、登録済の情報に関しては既に国税庁の公表サイトで検索が可能です。
そして全データのダウンロードもできるようになっていますが、9月22日付けでこのダウンロード機能が停止されています。
というのも芸名等で活動するクリエーター(声優、作家、漫画家、俳優、YouTuber等)から見直しを求める声が多く上がったため、国税庁としても氏名の公表方法を見直す予定です。

 

 登録にはどのような情報が必要でどう公開されるのか整理しておきます。

1.登録申請書の記載内容

<法人>
・登記上の本店所在地 〇
・納税地
・会社名 〇
・代表者氏名
・法人番号 〇

<個人事業主>
・住所
・納税地
・氏名(本名)〇

〇を付けた内容が国税庁のサイトで公表され、検索可能になります。

 

2.追加情報

 個人事業主は登記情報がないため原則は氏名のみの公表ですが、「公表事項の公表(変更)申出書」を出すことにより次の項目を公表できます。

・屋号
・主たる事務所の所在地
・通称や旧姓

 通称や旧姓を本名と併記または本名に代えて公表することは可能ですが、住民票に記載されていることが条件です。
芸名などは住民票には登録していないので本名は必ず公表されることになります。
これに加えて屋号(芸名)と主たる事務所の所在地(自宅兼用であれば自宅)が公表されると本名や自宅の特定が可能でストーカー被害などが懸念されています。
追加情報の登録は任意ですが、本人特定のために取引先から登録を依頼されると断りにくいということもあり得ます。

 

 個人情報を多く含むデータが簡単にリストとしてダウンロードできる状態は確かに危険で悪用される可能性もあるため、公表方法の見直しは避けられないと考えられます。