海外勤務者と所得税

posted by 2022.08.3

douga_haishin_youtuber

 日本で議員報酬が出るのに海外から帰国しない、というようなニュースがありますが、この場合の税金はどうなるのでしょうか。

 現状ではドバイに住んでいるようなので非居住者に該当します。
非居住者は日本国内で稼得した国内源泉所得にのみ日本の所得税が課税されます。
議員報酬は日本での活動を前提としているため、国内源泉所得として20.42%が源泉徴収されると考えられます。
YouTuberとしての収入はアメリカのように源泉徴収される国もありますが、ドバイでは所得税がかからないようです。

 

 上記はちょっと特殊事例ですが、普通の会社員が海外赴任中に日本で支払われる給料の税金について整理しておきます。

 

1.日本で従業員の立場

① 留守宅手当⇒非課税

 日本での労働に対応するわけではないので日本の所得税は非課税となります(赴任先では課税)。

② 一時帰国⇒原則課税

 一時帰国して日本で仕事した場合には、非居住者の国内源泉所得に該当するため、原則として日本の所得税がかかります(20.42%源泉徴収)。
ただし数日の出張であれば”著しく少額”として非課税になります。

 

2.日本で役員の立場

① 現地で従業員として常時勤務⇒1と同じく従業員扱いで非課税

② ①以外⇒20.42%の源泉徴収

 

3.日本で社長の立場

① 現地で従業員として常時勤務⇒20.42%の源泉徴収

② ①以外⇒20.42%の源泉徴収

 たとえ現地で従業員として働いていたとしても、日本で代表権のある役員として報酬を受け取っていれば国内源泉所得に該当し、日本の所得税がかかります。

 

 コロナ禍で海外勤務がイレギュラーになっているケースもあるため、課税漏れのないよう注意しましょう。