行く、逃げる、去るで2022年は早くも1/4が過ぎようとしています。
”2022年”と言えば懸念されていた生産緑地の2022年問題はどうなったのでしょうか。
おさらいしておくと、まず生産緑地とは都市部において緑地を保全するために指定を受けた農地や山林のことを言います。
指定を受けると30年間農業を続ける必要がありますが、固定資産税がかなり軽減され、相続税の納税猶予が受けられるといった税制上の特典があります。
生産緑地法はバブル崩壊後の1992年に施行され、生産緑地の8割に今年期限が到来します。
法律上、農地を自治体に買取り請求できることになっていますが実際に買い取ることはほぼ無いとみられ、固定資産税の負担増や後継者不足等で農地を宅地にして売却する地主が増えると想定されていました。
そうすると宅地の供給が大幅に増えて地価が下がり、都市周辺の緑地も減ってしまうというのが「生産緑地の2022年問題」です。
この問題を受けて生産緑地法が改正され、「特定生産緑地制度」が創設されました。
特定生産緑地制度とは30年ではなく10年ごとに更新する制度で固定資産税や相続税でのメリットを変わらず受けることができます。
昨年12月時点で86%が特定生産緑地制度に移行しているため、懸念されていた大幅な地価下落や緑地の減少という事態は起こらなさそうです。
とは言え、後継者不足や農業経営の効率化といった根本的な課題は先送りされている状態です。
法改正により市民農園などへの貸付け特例や直売所、農家レストラン等の設置緩和などが行われていますが、農業経営を近代化させるためにさらなる環境整備が期待されます。