働き方の多様化、三密回避、観光業のテコ入れといった観点から、観光庁では”新しい旅のスタイル”として『ワーケーション』と『ブレジャー』を推奨しています。
<定義>
① ワーケーション
Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語。
テレワーク等を活用し、リゾート地や温泉地、国立公園等、普段の職場とは異なる場所で余暇を楽しみつつ仕事を行うこと
② ブレジャー
Business(ビジネス)とLeisure(レジャー)を組み合わせた造語。
出張等の機会を活用し、出張先等で滞在を延長するなどして余暇を楽しむこと
いつの間にか横文字の新しい言葉ができていますが、ブレジャーは昔からあって、出張と休みをつなげてついでに観光してくるようなイメージです。
ワーケーションは新しい概念で、コロナ禍とITの発達によりテレワークが浸透し、場所を選ばず仕事できるようになったことから最近名前を聞くようになりました。
<税務の取扱い>
① ワーケーション
Q1
従業員が自分で選んだ観光地に旅行し、空き時間に旅館の部屋で仕事をした場合の往復交通費を会社が負担
A1
給与課税
私的旅行がメインで往復の交通費は会社の業務遂行上必要とは認められない。
Q2
観光地での合宿研修に行き、研修終了後に自由観光を推奨している場合の往復交通費を会社が負担
A2
経費OK(給与課税なし)
研修内容が業務遂行上必要なものであれば、研修がメインなので交通費は会社が負担することが合理的
② ブレジャー
Q3
3日間の出張のあとの土日をつなげて観光した場合の往復交通費を会社が負担
A3
業務遂行上必要な期間とそれ以外の期間とを日数按分し、業務対応分は経費、業務非対応分は給与課税
往復交通費は業務のために現地に行っているので経費OK
Q4
2日間の出張のあと、1週間休暇を取って観光した場合の往復交通費を会社が負担
A4
・仕事の日数が9割以上⇒全額経費OK
・仕事の日数が1割以下⇒全額給与課税
・仕事の日数が2~8割
⇒メインが仕事(現地日数の50%以上)なら往復交通費は経費OK、宿泊費等は日数で按分。
メインが仕事でない場合は全体(往復交通費+宿泊費等)を日数で按分
実務的には新しい解釈が出たというよりは従来の処理の確認の範囲で、結局のところは業務上必要な出張なのかどうか、出張の実態を示すスケジュールや報告書等があるかどうかというところが実務ではポイントになってきます。