コロナで飲食店が厳しい状況にありますが、昨年の緊急事態宣言の際には「クラウドファンディング」を活用していたお店もありました。
クラウドファンディングは比較的新しい資金調達方法でいろんな形態がありますが、会計や税務上はどのように扱われるのでしょうか。
1.クラウドファンディングとは
群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、不特定多数の人からインターネット経由で少しずつ資金調達する方法を言います。
その源流は古く、本の出版、自由の女神の台座建築、お寺の勧進などがありましたが、インターネットを使ったサービスという意味では、アメリカでは2000年代、日本では2011年頃から登場しています。
2.種類
① 購入型
<概要>
資金調達するために起案されたプロジェクトに対して、支援者が資金を提供し、その見返りとして完成した商品やサービスを受け取ります。
<活用例>
飲食店を支援して食事券を受け取るものや実験的な商品の開発などに活用されています。
② 寄付型
<概要>
起案されたプロジェクトに対して、支援者が資金を提供するのは購入型と同様ですが、寄付型の場合はモノやサービスなどの見返りはありません。
見返りはありませんが、資金活用状況を記載したニュースレターや記念品などのお礼を送るケースがあります。
<活用例>
アスリートの活動支援や非営利団体による被災地支援、途上国支援などに活用されています。
③ 融資型
<概要>
個人投資家から集めた小口の資金を取りまとめて企業に融資する方法で、支援者は利息を受け取ります。ソーシャルレンディングとも呼ばれます。
仲介するプラットフォーム事業者は貸金業登録や第二種金融商品取引業者登録などが必要です。
<活用例>
不動産やメガソーラーなど大型の投資に活用されています。
④ 株式型
<概要>
企業が未公開株を発行して個人投資家から資金を集める方法で、支援者は配当や上場を期待して投資します。
仲介するプラットフォーム事業者は、第一種金融商品取引業者登録が必要です。
<活用例>
社運を賭けてチャレンジするような数千万円の商品や技術開発などに活用されています。
⑤ ファンド型
<概要>
株式型と同様、企業が個人投資家から資金を集める方法で、投資家はファンド持分を取得します。見返りは売上等に連動した金銭的なリターンのほか、モノやサービスのケースもあります。
プラットフォーム事業者は、第二種金融商品取引業者や投資運用業者の登録が必要です。
<活用例>
日本での事例はまだ少ないですが、レストランや宿泊施設、地域活性化事業などに活用されています。
⑥ ふるさと納税型
<概要>
購入型と同様、プロジェクトに対して支援者が資金を提供し、その見返りとして完成した商品やサービスを受け取りますが、ふるさと納税が使える点が異なります。
<活用例>
地域支援につながる史跡などの観光資源や名産品作りなどに活用されています。
会計や税務処理については次回へ続きます。