会社を起ち上げた時に提出する書類や手続きって山ほどあります。
税理士などに依頼する場合はいいのですが、最初は小規模なので経費も節減したいし、できるだけ自分でしようという方もおられると思います。
ただ、当然ながら本業が優先なので手続きは後回しになってしまい、結果として特例が受けられなかったり、手続きの漏れで罰金がかかるようなこともあります。
手続きがややこしい要因として、所轄官庁がバラバラで似たような手続きをあちこちでしないといけないことがあります。
このような煩雑さから、世界銀行が毎年公表している「事業環境ランキング」(2020年)では日本は18位で、法人設立の分野に限ると30位と特に評価が低くなっています。
そこで、起業や投資を促すために、法人設立時の手続きを一元化するウェブサイトが『マイナポータル』の中に作られ、昨日1月20日から稼働しています。
<守備範囲>
① 税務署
② 都道府県及び市町村
③ 社会年金事務所
④ 労働基準監督署
⑤ ハローワーク
<主な手続き>
① 税務署
・設立届一式
・青色申告申請
・消費税の各種選択
・事前確定届出給与
・電子申告 等
② 都道府県及び市町村
・設立届 等
③ 年金事務所
・新規適用届
④ 労働基準監督署
・保険関係成立届
⑤ ハローワーク
・事業所設置届
・被保険者資格取得届
<準備>
・マイナンバーカードが必要。
・パソコンだけでなく携帯のアプリでも動きます。
・パソコンでマイナンバーカードを読み込むには「ICカードリーダライタ」が必要ですが、NFC対応スマホの場合は不要です。
<特徴>
・「かんたん問診」というページでは質問形式で必要な手続きを教えてくれます。
・ログインすれば申請状況をサイト上で確認することができます。
今後は2021年2月をメドに、定款認証や設立登記も追加される予定です。さらに印鑑の届出も不要になる方向で、そこまでいくと会社設立時の事務手続きがすべてネット上で完結することになります。
士業としては手続き的な仕事が減る話ではありますが、開業率が上がって経済が活性化してナンボという話なので、ビジネス環境の整備はどんどん推進してもらいたいところです。