相続対策でマンションやハイツを建築することがありますが、不幸にも建築中に亡くなってしまうこともあります。
その場合、当初想定していた節税効果はどうなるのでしょうか。
① 借入金
建築資金の一部をすでに借り入れている場合は、債務として確定しているため、相続税計算上の債務として控除されます。
② 建物
当初想定していた相続税効果としては、(A)固定資産税評価による評価減と(B)貸すことによる借家権分の評価減があります。
(A)固定資産税評価による評価減
たとえば1億円で建物を建築した場合、建築翌年に固定資産税評価額がつくと、5000~6000万円に収まることが多いので、現金で持っているのに比べると大幅に圧縮されます。
これが建築中の場合には、固定資産税評価は当然まだつかないので、評価減はありません。
ただし、すでにかかっている費用に関しては、建築後の評価とのバランスも考慮して、「投下した費用原価×70%」で評価されます。
(B)借家権分の評価減
賃貸物件であれば、「固定資産税評価×(1-30%)」で評価されます。
これは貸していることによる拘束部分を考慮しているためです。
これが建築中の場合には、実際に貸しているわけではないので、その分の評価減はまだ発生しません。
土地に関しては、ちょっと複雑になるので、次回へ続きます。