昨日の続きで、年金でもらうか一時金でもらうかの相続税での取り扱いを見ていきます。
2.相続税(被相続人が保険料負担)
① 年金受給前の死亡
取扱い:遺族給付金=死亡保険金
非課税:適用あり(500万円✕法定相続人の数)
年金の原資として貯めたものを死亡により払い戻してもらうため、通常の生命保険金と同じ取扱いになります。
② 年金受給開始後の死亡
取扱い:年金受給権に相続税
非課税:適用なし
評価額:次のうち最も多い金額
ア.解約返戻金の金額
イ.一時金で受け取れる場合はその一時金の金額
ウ.将来もらえる年金額を予定利率により現在価値に割り戻した金額
亡くなった瞬間の年金受給権という権利に対して相続税が課税されるため、一時金でもらっても年金でもらっても相続税に変化はありません。
また一時金でもらったとしても非課税枠の適用はありません。
ただし年金でもらう場合には受け取った遺族に所得税がかかります。
二重課税になる部分があるため、初年度は非課税ですが少しずつ所得税の課税対象が増えていき、所得税住民税だけでなく健康保険などにも影響があります。
相続税の負担が大きくなければ一時金でもらった方が有利と言えます。
なお、公的年金の遺族年金については遺族の生活保障のためのものであるため、相続税も所得税もかかりません。
年金の受け取り方についてはその時の税金だけでなく、その後の税金にも影響するので判断が難しいところですが、なるべく手取りを多くできるよう専門家に相談しながら対処していきましょう。